監督生活3年目、いよいよ24/25シーズン開幕。謎の日本人・飯村おさむが低迷するKVメヘレンの新時代を築き上げる…!
ウクライナの閑散とした環境でやっていた頃とは比べ物にならないくらい経済的豊かさを感じるベルギーリーグ。ホームスタジアムは16,672人収容で、設備も流石ベルギーだな!って感じで結構立派です。
ただ今季のシーズンチケットホルダーは9415人と、昨季よりだいぶ減った模様。そりゃ降格しちゃったから仕方ないよね。自分も現実で地元クラブがJ1から落ちた身だけどJ2では特に応援してないですもん(薄情者)
絶対再昇格決めて赤字財政も改善させるぞ!
~前半戦~
ウクライナ・Nyva Ternopil時代に成し遂げたことでわかりやすい功績が昇格くらいで、ちょっとバイオグラフィー寂しいですね。KVメヘレンではタイトル獲りたいなあ。
- 第1節 vs KMSK Deinze(A) 1-3 勝利
メヘレンでの初陣は白星スタート。それでもこの試合最初の得点は相手チームで、失点から始まる新シーズンはなんか嫌な感じだったけど後半巻き返して逆転勝利は嬉しい。
しかし第1節終了後、絶妙に面倒な事案発生…
~契約更新しろ!~
Lüchinger加入で控えの立場に転落したが、「契約に合意した頃より良い選手に成長している」との主張。
いやワシ、このクラブに就任したの先月やし。君の成長ぶりとか知らんもん……。ポリバレントでありがたい存在だけど、能力的には2部レベルだし今季一年戦ってくれたらもうそれでお別れでいいかな。
今日はとりあえず練習戻ろうか。また今度契約更新についてはお話しようね!
やっちまったぜ……
~夢を見たのさ~
契約更新突っぱねたらただでさえ低い監督への支持が壊滅状態になるので仕方なく契約更新する。副キャプテンだけあって、能力微妙なわりに影響力だけは持ちやがってこの野郎……!
1部の優れた選手レベルとされてるけど、評価されてるのは天性でこなせるポジションが4つもある部分。そのせいでゲームシステム的には能力ポイントを万能さに吸われてしまい、たとえばサイドバック単品として見た場合ものすごく物足りない見掛け倒しな選手になってしまってるのだ。
もうできるだけお金払いたくないので、並のサイドバックには絶対とれないであろうゴールボーナスを盛りに盛ってほぼ昇給なしの3年契約で更新する。手間取らせやがって、来夏売り飛ばしてやるからな(私怨)
- 第2節 vs RSCA Futures(H) 3-2 勝利
アンデルレヒトのBチーム相手に辛勝。失点続きが気になるが、まあ2失点どちらもゴラッソなので逆に3点とって負けなかったことをよしとする。
しかし開幕二連勝を喜んでいられたのも束の間、ま~た面倒くさい事案が発生…
~受難その3~ 移籍市場は閉じたが、ロシアではまだ終わってなかった
左サイドバックの主力Boli Bolingoliに対し、ロシアのクラブによって最低移籍金条項が行使されるという寝耳に水なニュースが飛び込んできた。
最低移籍金というのは定められた金額以上のオファーが他クラブから来たとき、自クラブは必ず受け入れなければならないという決まり。Bolingoliには"降格時"最低移籍金という形で、クラブが降格したら効力発動する最低移籍金が設定されていた模様。
仮に移籍がまとまった場合、うちはサイドバックの主力選手を白昼堂々強奪されるというのに、ベルギーリーグの移籍期間は9日前に終了済みなので代わりの選手を獲得する手段がなく泣き寝入りするしかないってことになる。こんな理不尽があってたまるか。あるんです……。
Bolingoliに最低移籍金条項があったことは知っていましたか?→いいえ
ロシアの移籍期間が一週間長いことは知っていましたか?→いいえ
露助が移籍市場終了間際に焦って接触してくることを予期していましたか?→いいえ
露助リーグを稼働させたことを後悔していますか?→はい
ほんま露助許さんからな。大陸大会で相対したら激しく当たれ指示で全員の脛の皮赤くしてやる!!!覚悟しとけ!!!(私怨)
こうして続けざまの受難に襲われ続けた飯村おさむ新監督だったが、血の滾る憤怒と燃え上がる殺意をモチベーションに変えてシーズンを続行していく。嘆いていてもしょうがない、まだリーグは始まったばかりである。
左サイドバック後釜問題も、冬の移籍市場がオープンするまではとりあえず控えの立場だったWernerssonをレギュラーに据える。今季の加入組・右サイドバックLüchingerは要らぬ補強だったかな~と若干蛇足に思ってたんですが、今や3名で両サイドバックを回さなければならなくなったので結果オーライ。むしろ補強してなかったら大変なことになってた……。
~冬まで戦術調整~
- 第3節 vs SL16 FC(A) 4-0 勝利
- 第4節 vs SK Beveren(H) 4-1 勝利
- 第5節 vs RAAL La Louvière(H) 3-0 勝利
極端なハイラインサッカーをしているのに失点抑えられているのが意外。どの試合もボール支配率65%以上でシュート本数や得点期待値でも上回り、完全に試合をコントロールして勝ちきっている。さすが元1部だけある。
パスマップ見ているとハイラインに設定した通り相手陣内でプレイできているように見える。中盤プレイメイカーのSchoofsから前向きに出されているパスのレンジが長く、期待した通りチャンスになりそうな積極的な出し方をしている。
また8番Kanoutéも各所に顔を出してパスの受け手になっていて本数も際立っている。これは狙い通りなので喜ばしいものの、逆に考えるとそこからの展開といえばワンツーパスくらいで、受けて渡して終わってしまっている感が否めない。ただ中盤二人でよく動いてパスコースを作っており、危惧していたCBからパスの出しどころに困って詰まる事態は避けられてるっぽい。
左SB・WernerssonがコンプリートWBタスクなので非常に高い位置をとっており、あまりパスが通ってない印象を受けるがこれが悪いことなのかは分からない。綺麗な形のパスマップを目指したいが必ずしも綺麗なパスマップが戦術的にうまくいっているというわけではないので……。
Wernerssonを内側でプレイさせるタスクに変更したら全体的にラインが下がった。やはり高い位置をとるって試合から消えることもあるけど押し上げる意味では結構重要なんかな。
この試合は右ウィングの位置に左利きのStormを先発させたので内に絞る感じになり、それなのに後ろのLüchingerをIWBのまま起用しちゃったのでサイドが空いて全然使われておらず、ディフェンスラインでパスこねくり回してたのが如実に表れている。ただ2トップの位置関係は期待通りResendeが下りてBelajは裏抜けを狙えていますね。
でもBelajが得点量産していると思いきや、開幕5試合ではResendeが怒涛の9得点と爆発しておりBelajは4得点にとどまっている。思惑とは裏腹にBelajに釣られて空いたスペースでResendeが好きなようにシュート打ってるイメージ。そういうのもあるのか。
- 第6節 vs Eupen(A) 0-1 敗北
ここにきて今季初黒星。50分にBelajが負傷退場して不穏な空気が漂い始めた。
支配率59%、優勢な流れの中で枠内シュートも相手の4倍以上という9本打って無得点に終わり、まあスタッツだけ見れば不運な負け方なのであまり落ち込むことではない。
と思ってたら……
~受難その4~ 監督支持者0人
いや堪忍袋小さすぎだろ。たった1敗しただけですよ。まだ就任して3ヶ月も経ってないですよ。頼む~~~~!
やっぱコアメンバーが全員退団希望なのが全ての元凶で、昇格する約束を取りつけてクラブに残留してもらってる一方で昇格するまではムードや士気は改善しないのでちょっとした失敗で監督への信用を失うようになっている。常に綱渡りをさせられてる気分だ。
もっと忍耐もて!監督を信じろ!耐え難きを耐え~忍び難きを忍び~(口癖)
こりゃあやらかしたかな~と思ったけど一応雇用情勢は安泰らしく解任とまでは至らないようだ。ただ選手から信用を失っているのは理事会にも認知されてるようで、飯村おさむのKVメヘレン生活は非常に厳しい船出となった。
でこれ書きながら現実のワールドカップ日本対ドイツみてたら日本が逆転勝利した。おああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
~気を取り直して~
冬の移籍期間までほぼ勝ち点を落とさず破竹の勢いでリーグを勝ち抜いた。
かなり守備がうまくいっている気がして、基本的に毎試合ボールを7割近く握ることができているのでそもそも相手の決定機が少なく、ハイラインの裏スペースもスイーパーキーパーCouckeが本当に勇敢な飛び出しで対応している。ネガトラ時、味方がリトリート&相手はカウンターでピッチにいる人間全員が自陣に向かって走ってきているのに、GKだけ逆方向から猪突猛進してきてボールをクリアする様は相対的なスピード感も相まって見ていて爽快である。
一応2回ほどGKが対処を間違えて失点に繋がったミスはあったものの、その分チームが必ず複数回の決定機を生み出しているので何ら問題はない。
ただ中盤とディフェンスラインの間に大きなスペースができるタイプの4-4-2なので、やはりトップ下や前目に出てくるMFを配置してくるチームにはそのエリアを自由に使われがちで苦戦を強いられた。BBMのKanoutéやOum Gouetをマンマークにつかせるくらいしか今は対策が思いつかないが、ここは来季に向けてセカンドオプションを考えていくべきだと思う。
43試合ってすごいな……昨季どんだけ不調だったんだ、そら降格するくらいだから想像はつくけど
前半戦は14勝1分1敗の圧倒的な成績で折り返したものの、ダイナミクス、監督に対する支持は依然として低いまま。ただキャプテンSchoofsが中立的な立場になって、それに伴い徐々に改善されてきた感はある。相変わらず監督の話を素直に聞いてくれるのは移籍加入組だけですけどね。これでよく勝ってるな…
ちなみに…
なんか草。ちなみに飯村おさむが置き土産とばかりに獲得したNyva Ternopilのヨーロッパカンファレンスリーグ挑戦権は、予備予選で早々に打ち砕かれていました。
あとはAライセンス→プロライセンスだ。ここらへんから12ヶ月も研修にとられるのでナショナルライセンスのようにポンポン上がることはなさそう。でも流石に最初の無職時代とは隔世の感がある。
~前半戦の立役者~
新加入のJoão Resende君、16試合で22得点と大爆発してリーグの個人ランキングをぶっちぎり1位で快走している。傑出した能力はないのに何もかも卒なくこなすおかげで、あらゆる決定機に絡めている気がする。スピード型のストライカーなら強靭さに欠けたり、電柱タイプなら俊敏さに欠けるのはよくあることだけど、彼は欠点らしい欠点がないバランス型でそこもまた良い方向に影響が出ている。
獲得した選手が活き活きしているのは本当に監督冥利に尽きますね。
~24/25冬の移籍~
待ちに待った冬が来た。やはり左サイドバックの補強は急務。
Wernerssonも悪くはないけれど、サイドバックが重要な現代フットボールにおいて好調なチームにあってあまり印象的な働きを残せていない。あと結構守備が軽い部分もあり、昇格して来季の1部も見据えて良いサイドバックを探したい。
ブライトンから放出されていたMichał Karbownikを自由移籍で獲得した。彼もまたポリバレントすぎてパッと見の能力は並だが、ドリブルでの突破力があるのは大きい。まだ23歳と比較的若く、伸びしろに期待。
しかし朗報に引き続いて凶報もやってきた。
キープレイヤーなので何度も契約更新を打診してきたのだが、昇格する約束が果たされるのを待っていると言われて一切応じてくれなかった。昇格もなにも君来年契約切れるのわかってんのかな……。
こんなことになるなら夏に売っておくべきだったなと後悔。シーズン後半戦は今後を見据えStormとAmuzuの二人をウィングで起用して、da Cruzはよほどのことがない限り出場させないようにしていきます(私怨)
~後半戦開始~
2025年最初の試合はカップ戦で1部のアンデルレヒトと対戦。
試合は先制を許すもすぐさま追いついて、メヘレンにとってはアウェーゲームなのにポゼッション57%でシュート本数も相手を上回る16本。しかし枠内に飛んだのがたった2本という精度の低さに泣かされ、最終的に87分に勝ち越し弾を決められカップ戦は敗退となった。
- Croky Cup第5ラウンド vs URSL Visé(H) 3-0 勝利
- Croky Cup第6ラウンド vs Westerlo(H) 3-2 勝利
- Croky Cup第7ラウンド vs Lommel SK(H) 5-1 勝利
- Croky Cup準々決勝 vs RSC Anderlecht(A) 1-2 敗北
何気にカップ戦では1部クラブ相手に2回も白星を挙げてるんですよね。アンデルレヒトはさすがに強かった。来季はリーグで相対するだろうから(もう昇格する気でいる)、今の段階でバチバチやれることを証明したのは自信になりますねー。
~私怨にまみれる男・飯村おさむ~
もう契約更新する気がないらしい。まだ1年半契約残ってるけど、そんなに長い期間待つつもりなんだー…ふ~ん……
じゃあこっちも出るとこ出るよ?
あと2年半この牢獄にいてもらうからねえ^^(私怨)
だんだん飯村おさむ監督の屑っぷりが如実に出てきたな……こんなんでいいんか……?売られた喧嘩は全部買うぜ!!
一方その頃スペインでは
~後半戦も出だし好調~
だんだん4-4-2ハイプレスも習熟度や連携が深まってきて、圧倒的な攻撃力は留まるところを知らない感じになってきた。Resendeはやや調子を落としてきたけど、入れ替わるように相方Belajや左インサイドFWのAmuzuといった若手が頭角を現してきて穴を埋めている。
こりゃーシーズン終了までどこまで勝ち点積み上げられるか楽しみになってきましたねえ!
とかいってたら負けた。普通に力負けした。相手のセンターフォワードに空中戦でまったく勝てずセットプレーでやられたのが敗因。
ちょっとおかしいですねぇ。立て続けにホームで2敗を喫したのは4-4-2の中盤の弱点が完全に露呈したのかも。そこを直すのは来季のプレシーズンでいいかなーって思ってたけど優勝危うくなってきた今、喫緊の課題になったように思う。
だけどもう強い勢いがあるのも事実なので残り6試合、最低限の処置だけ施してこのまま駆け抜けちゃうことに。
チームミーティング後に5連勝。結束力の強い集団なので少しモチベーションを高めてやればスッと結果を出してくれた。
最終的に25勝2分3敗の成績でぶっちぎりのリーグ優勝を決めて1部昇格。
なんか警備員のおじさん混じってるな
最初からオッズ最小で優勝の最右翼とされていたので、少しでも勝ち点落とすと猛批判に晒されたのが結構つらかったけど、最後は無事優勝で昇格できてよかった。
飯村おさむとしては監督人生(3年)の中で一番つらかったので素直な感情を記者会見で吐露した。あらゆる受難に苦しめられた……。
さて昇格の約束が果たされたので…?
一方その頃古巣Nyva Ternopilの状況
このBenjo監督、クッソ成績低迷してシーズン途中で逃げ出しておいて古巣に対するコメントがこれってやばすぎる。
~チーム成績・個人成績~
チームとしては30試合でリーグ最多となる88得点。攻撃では傑出した結果をみせたが、一方守備で少々危うさを露呈した。失点は26と決して多くはないものの、もっと堅守のチームも存在して守備の構築が来季の課題であることに変わりはない。
個人としては、
- João Resende(ST) 28試合34ゴール7アシスト(xG: 20.55) 大会得点王
- Gentian Belaj(ST) 29試合25ゴール9アシスト(xG: 21.65)
- Kerim Mrabti(ST) 11試合3ゴール2アシスト
- Nikola Storm(LRW) 29試合3ゴール13アシスト 大会アシスト王
- Joseph Amuzu(LW) 27試合8ゴール11アシスト
- Alessio da Cruz(RW) 25試合3ゴール6アシスト
- Rob Schoofs(MF) 28試合1ゴール6アシスト
- Franck Kanouté(MF) 29試合3ゴール4アシスト
2トップで59ゴールを奪う大会屈指の決定力を見せつけた。お互いに持ちつ持たれつでアシストし合い、彼らが不調なときは左ウィングのAmuzuが8ゴールとチームの危機を救っていて、特にリーグ最終盤の優勝争いの段階では5試合で3G6Aの活躍で大いに助けられた。
ただ戦術の主軸に据えたローミングプレイメイカーのSchoofsは6アシストと、あまりパッとしない成績に落ち着いた。クロスからの得点比率が高く、サイドにボールを散らす役割に回ってアシストがつかなかったのかな~と分析している。なおキーパス数ではStormやAmuzuに大きく負けているのでそもそも本領発揮といかなかった説もある。
さて懸念していたクラブ財政は、まあ最小限の赤字に抑えられた…かな?
昨季は800万ユーロの負債を抱えて、24/25スポンサー料ですら相殺できなかったからね。一応今季で返済が完了するローンもあるので来季は200万ユーロほど支出が減る予定。来季こそ1部で黒字を目指す。
~おまけ:今季のユース~
1人だけ有望そうな若手が湧いたので契約した。ユース上がりってもっと荒削りな印象があったけど最初から完全体がぼんやりと見える完成度。性格もいいし、絶対伸びる(確信)。冬にせっかく補強した左SBポジションにまた選手が…ってなったけどKarbownikは右SBもできるからモーマンタイ。来季が楽しみだね!
ベルギー1部編につづく